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【モーショントラッキング】シェイプなどを動画の動きに追従させる方法!

超解読AE! |AEでモーショントラッキングをする方法
動画の動きに合わせてシェイプをついていかせたり、そういう動きを読み取ってくれるような機能ってAEにありますか?
A子さん
E太郎
AEではモーショントラッキングの機能がついているので、簡単に動画の動きについていかせることができますよ!今日はモーショントラッキングのやり方を一緒にチェックしていきましょう!

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モーショントラッキングとは?

モーショントラッキングは「動画の一部」を指定して、その部分を追うように別のレイヤーに動きを付けてくれる機能です。

シェイプや文字などに適用することによって、動画の動きにほぼ自動で追従をしてくれるようになるので、「動きのついたもの」に名前やテロップ表示などをする場合にとても便利です。

元の画像

元の動画

モーショントラッキングを使えば自動で動きを読み取ってくれる

モーショントラッキングを使えば、自動で動きを読み取って追従してくれる

E太郎
ボタンを順番に押して設定していくだけなので、すぐに・簡単にできる機能なので是非覚えて活用してくださいね!

モーショントラッキングがやりやすい動画

モーショントラッキングはあまり激しい動きなどには対応が難しいです。

ハッキリ見える方が上手く行きやすい

比較的成功しやすい例としては

  • 動きがゆったりしている
  • 「追わせたいもの」がハッキリと認識できる
  • 「追わせたいもの」の「画面に映るサイズ」が大きく変わりすぎない

ものがうまくいきやすい動画です。

E太郎
動きが激しくても一応できますが「追従させるもの」の動きも必然的に激しくなるので、見づらい動画になってしまうことがあります。

モーショントラッキングの使い方

モーショントラッキングは

  1. トラッカーパネルを開く
  2. パネルで設定をして動きを分析
  3. 追従するターゲットを指定する
  4. 適用する
  5. 変な部分を微調整

という手順をたどります。

E太郎
さっそくやり方を詳しく見ていきましょう!

トラッカーパネルを開く

トラックパネル

モーショントラッキングは「トラッカーパネル」から設定をしていくので、

メニューのウィンドウ > トラッカー でパネルを開きましょう。

パネルで設定をして動きを分析

素材をコンポジションに入れておく

「動きを読み取りたい動画」と「追従させたいもの」をコンポジションに入れておきます。


アンカーポイントを指定する

「追従させたいもの」はシェイプや文字、画像など基本的には何でもOKです。

アンカーポイントをもとに動きが付きますので、あらかじめレイヤーのアンカーポイントは調整しておきましょう。

画像で言うと吹き出しの根元を追従させたいので、根元の部分にアンカーポイントを設定しておきます。

アンカーポイントについてはこちらの記事を参考に

超解読AE! |アンカーポイントと位置の使い分け。基点をマスター
【アンカーポイント】「基点」を理解したら、アニメーションに強くなれる!

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トラックボタンを押す

動きを読み取る動画のレイヤーを選択した状態でトラッカーパネルの「トラック」を押しましょう。

レイヤーパネルが開き、トラッカーパネルの他の項目が編集できるようになります。


トラックポイントを調整して指定する

レイヤーパネルを見ると、「トラックポイント1」という四角い表示が出ているはずです。

このトラックポイントが読み取り位置を指定するためのポイントになります。

2重の四角と中央の+マークで読み取り位置を指定していきましょう。

  1. 中央の+マークは「追従させるもの」のアンカーポイントがくる位置
  2. 内側の四角は「追わせたいもの」
  3. 外側の四角は「動きの読み取り範囲」

を指定します。四角の四隅をドラッグ&ドロップで移動させてそれぞれ範囲を囲むようにしましょう。


トラックポイントを指定する

今回のサンプルだとこんな感じで設定してあげています。

3の「動きの読み取り範囲」は狭ければ狭いほど処理が早くなります。


トラッキングされると軌道が描かれる

範囲を指定出来たら▶の「再生方向に分析」ボタンを押します。

トラッキングを開始してくれますので、終わるまで待ちましょう。

この時、先ほどの3の「動きの読み取り範囲」が広すぎるとかなり時間がかかりますので、あまりにもトラッキングが開始されない場合は読み取り範囲を狭めてみましょう。


分析ボタン

そのままきれいにトラッキングをしてくれている場合はOKですが、トラッキングが外れて変な位置になってしまっている場合は

はずれ始めたフレームの位置に時間を合わせて再度▶の「再生方向に分析」ボタンを押します。

この時に2や3の範囲を再調整してから分析しなおすとうまくいくことが多いです。

動きがしっかり読み取られるまで何度か試しましょう。

◀|や |▶のボタンで1フレームずつ分析することもできます。

E太郎
画面外に「追わせたいもの」がはみ出てしまったり、似たような色のものが周りを動いていたりすると途中でトラッキングが外れてしまうので注意です。

追従するターゲットを指定する

ターゲットを指定する

トラッキングが上手くできたら「追従させたいもの」を指定しましょう。

「ターゲットを指定」を押して、用意しておいた「追従させたいもの」のレイヤーを選択してOKを押します。

適用する

トランスフォームの位置にチェック

今回は位置を追従させたいので、

  • 「トラックの種類」がトランスフォーム
  • 位置にチェック(回転やスケールも変化を出したい時はそちらもチェックしましょう)

にして「適用」を押しましょう。


トラックが完了

ターゲットに指定したレイヤーの位置プロパティにキーが付きましたのでプレビュー再生して確認しましょう。

(回転やスケールにチェックを入れていた場合はそちらにもキーが付きます。)

E太郎
基本的な手順はここまでになります!あとは微調整をしていきましょう。

変な部分を微調整

ガタガタしたキーは思い切って消す

動きによってはガタガタとした奇妙な動きで追従することがあるので、トラッキングをし直すかキーを消してその部分だけ手動で調整しましょう。

E太郎
ゆったりと動いているものなら途中のキーを削ってもそこまで大きなずれは出ないかと思います。特に、スケールや回転などは動きが変についてしまうことがあるのである程度キーを減らしてあげると意外とスムーズになる場合があります。

文字は親子付けするだけでOK

サンプルのようにシェイプのフキダシと文字を同じ位置で追従させる場合は文字をシェイプに親子付けしてあげればOKです。

親子付けについてはこちらの記事を参考に

超解読AE! | 親子付けって知ってる?ヌルも使いこなせばアニメーションマスターになれるかも
【親子付け・ヌルの基本】別のレイヤーの動きを真似させる方法

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別のトラッキングを作る

別のトラッカーを作る

動画の別の部分に別のレイヤーを追従させる場合は新たにトラッキングを作ります。

新たにトラッキングを作る場合は動画のレイヤーを選択した状態で再度「トラック」を押します。

先程と同じ手順でに分析と適用をしましょう。

E太郎
複数のトラッキングを作った時に、前に作ったトラッキングを使いたい場合は「現在のトラック」で切り替えできます。

トラッキングの名前を変える

「現在のトラック」で選択しているトラッキングは「オプション」ボタンを押して出てくる設定ウインドウの中で名前を変えることもできます。

たくさんトラッキングを作りすぎて区別が付けづらい場合はわかりやすいように名前を変えておくのがおすすめです。

その他の機能

3Dカメラ

分析が終わるまで待つ

「3Dカメラ」のボタンを押すと、その動画のカメラの動きを分析してコンポジションにカメラを作成します。

「3Dカメラ」のボタンを押したあとは動画の分析が始まるので終わるまで待ちましょう。


3Dトラッカー

星のシェイプは3Dレイヤーにしてアニメーションさせず置いているだけ。

分析が終了したら、動画のレイヤーに「3Dカメラトラッカー」というエフェクトが付きます。

エフェクトコントロールパネルで「カメラを作成」のボタンを押すと、コンポジション内にカメラが作成されます。

後は3Dレイヤーにしたシェイプや文字・画像などを配置するだけでカメラが動画の動きに合わせて追ってくれるようになります。

元の動画のレイヤーは2Dレイヤーのままにしておきましょう。

E太郎
2Dレイヤーのまま動きを追従させたい時は「トラック」、3Dで表現したい時は「3Dカメラ」でトラッキングすると良さそうですね。ちなみに、こちらの方法は分析に失敗してしまう動画も結構あったりします(記事前半で使っていたバイクの動画もなぜか失敗します)。どうしてもうまくいかない時は「トラック」の方でやるといいかもしれませんね。

ワープスタビライズ

分析が終わるまで待つ

「ワープスタビライズ」のボタンを押すと、その動画のカメラの動きを分析してカメラの手振れを補正してくれます。

「ワープスタビライズ」のボタンを押したあとは動画の分析が始まるので終わるまで待ちましょう。


元の画像

元動画

ワープスタビライザーで手振れ補正ができる

ワープスタビライズを適用

分析が終了したら、動画のレイヤーに「ワープスタビライザー」というエフェクトが付きます。

補正を元に戻したい時はこのエフェクトを削除するかオフにすればOKです。

手振れを補正するために動画を切り抜くため、元の動画よりも見た目がアップになります。

スタビライズ

「スタビライズ」のボタンを押すと、その動画のカメラの動きを分析してカメラの手振れを補正してくれます。

こちらは「ワープスタビライズ」と違って「トラック」と同じようにトラックポイントを指定して分析をします。

手振れがわかりやすいものを囲むようにトラックポイントを指定して分析をしましょう。手順は「トラック」と同じです。

分析が終了したら「適用」ボタンを押します。

元の画像

元動画

スタビライズ

スタビライズを適用

「位置」にアニメーションがついて手振れを相殺します。

「位置」が動くため画面端に隙間が出来ますので注意しましょう。

まとめ:モーショントラッキングでオシャレな雰囲気を出してみよう!

モーショントラッキングを使えば、ちょっと手の込んだ動画っぽくなるし楽しいですね!
A子さん
E太郎
やり方を覚えてしまうとサクッと簡単にできるので、是非いろいろな動画に取り入れてみてくださいね!

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