素材とレイヤー

【描画モード・後編】モードごとの効果を知ってもう悩まない!

超解読AE! | 描画モードをマスターしよう。
前回の記事では通常・減算・加算・複雑の4つのカテゴリを覚えたのですが、残りの4つのカテゴリはどんなものなんでしょうか?
A子さん
E太郎
後半の4つのカテゴリは少しだけややこしいので、初めのうちは「こういう見た目にしたいならこれ!」と選ぶのは難しいかもしれません。どんな処理なのか補足的に覚えておくといいでしょう。

描画モードの「後編」

描画モードの通常・減算・加算・複雑は何となく「こういう見た目ならこれかな」という風に選ぶことが出来るのですが、後半の差・HSL・マット・ユーティリティは少しだけ難しいモードです。

E太郎
正直普段は多用はしないモードが多いですが(人によるとは思いますが)、覚えておくとより知識が深まるので表現の幅が広がりますよ!

前回のおさらい:描画モードって?

レイヤーごとに「モード」がある

描画モードはそのレイヤーの「見た目」に関する重要な要素です。

主に別のレイヤーに重ねることで効果が表れます。

レイヤーごとに「モード」の項目がついていて、普通は「通常」モードになっています。

プルダウンから別のものを選択するとモードを変えることが出来ます。

モードを選ぶコツ

モードには「暗くなる」や「明るくなる」などカテゴリごとにそれぞれ大きな特徴がありますので、まずは「どういう見た目にしたいのか」決めて、そのカテゴリの中のいずれかのモードにしてみましょう。

そこから「なんか思ったのと違うな・・・」となったら同じカテゴリ内の違うモードにしてみて比べて見るといいでしょう。

E太郎
ちなみに、レイヤーを選択した状態でShift+^で「次のモード」に切り替え、Shift+-で「前のモード」に切り替えが可能ですよ!

モードが表示されていない時は「ソース名」などの項目が書かれた列を右クリック→【列を表示】→【モード】で表示しましょう。

描画モードのカテゴリって?

大きくわけて8種類。

描画モードは

  • 通常
  • 減算
  • 加算
  • 複雑
  • HSL
  • マット
  • ユーティリティ

の8つのカテゴリがあります。

今回の記事では【後編】として【差】【HSL】【マット】【ユーティリティ】の4つのカテゴリを解説していきます!

E太郎
ちょっと上級者向けのカテゴリですが、覚えておけばいざというときに役に立つかもしれません!
前編
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【描画モード・前編】まずは基本のモードを知ってしっかりマスター!

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重ねる色の差に応じて変化するモード

「色の差」を計算して様々な効果を出すモードです。

差カテゴリには4種類のモードがあります。

  • 差、差(クラシック)
  • 除外
  • 減算
  • 除算

詳しく見ていきましょう。

差、差(クラシック)

カラーチャンネル(RGBの数値)ごとに【入力カラー値】の明るい部分から暗い部分の数値を減算した色になります。

例えば、

R200、G100、B100という色に

R150、G200、B50という色を【差】で重ねた場合は

R50、G100、B50 という色に変化します。

E太郎
クラシックとつく方は旧バージョンのAEで作成したプロジェクトの互換性があるかどうかなので、基本的には「差」を使いましょう。

除外

差と似ている処理で、差よりもコントラストが弱めの結果になります。

減算

差と似たような処理ですが、差は「カラーチャンネルの数値ごと」に「明るい方から暗い方を減算」するのに対して、減算は「元のレイヤーの色から重ねたレイヤーの色を減算」します。

例えば、

R200、G100、B100という色に

R150、G200、B50という色を【減算】で重ねた場合は

R50、G0、B50 という色に変化します。

(※Gの数値は色深度が32bpcの場合はマイナス数値になります)

除算

元の色の数値を重ねた色の数値で割ります。実際の計算方法は少々複雑なので割愛しますが

重ねる色の明度が低ければ低いほど(黒に近いほど)結果の色は明るくなります。

HSL

HSLに応じて変化するモード

重ねる色のHSL(色相・彩度・カラー)の要素から色を引き出すモードです。

差カテゴリには4種類のモードがあります。

  • 色相
  • 彩度
  • カラー
  • 輝度

詳しく見ていきましょう。

色相

結果色が下のレイヤーの【輝度と彩度】、重ねた色の【色相】の色になります。

彩度

結果色が下のレイヤーの【輝度と色相】、重ねた色の【彩度】の色になります。

カラー

結果色が下のレイヤーの【輝度】、重ねた色の【色相と彩度】の色になります。

輝度

結果色が下のレイヤーの【色相と彩度】、重ねた色の【輝度】の色になります。

マット

「マット」になるモード

下のすべてのレイヤーのマットに変化するモードです。

差カテゴリには4種類のモードがあります。

  • ステンシルアルファ
  • ステンシルルミナンスキー
  • シルエットアルファ
  • シルエットルミナンスキー

詳しく見ていきましょう。

ステンシルアルファ

レイヤーのアルファチャンネル(透明な部分)を使用してステンシルを作成します。

ステンシルルミナンスキー

レイヤーのルミナンスの数値(輝度=黒に近いか白に近いか)を使用してステンシルを作成します。

黒に近いほど不透明度0%に、白に近いほど不透明度100%に近くなります。

シルエットアルファ

レイヤーのアルファチャンネル(透明な部分)を使用してシルエットを作成します。

シルエットルミナンスキー

レイヤーのルミナンスの数値(輝度=黒に近いか白に近いか)を使用してシルエットを作成します。

黒に近いほど不透明度0%に、白に近いほど不透明度100%に近くなります。

ユーティリティ

特別なユーティリティ機能になるモード

特殊なユーティリティ機能が得られるモードです。

差カテゴリには2種類のモードがあります。

  • アルファ追加
  • ルミナンスキーマルチプライ

詳しく見ていきましょう。

アルファ追加

見た目としては【通常】と同じです。透明部分の処理が変わりますので不透明度を下げたものを重ねたときに効果を発揮します。

【通常】それぞれ不透明度50%のレイヤーを重ねると50%+50% (=100%?) なのに透けてしまいます。

【アルファ追加】にすると不透明度50%のレイヤーを重ねると 透けなくなります。

ルミナンスキーマルチプライ

少しややこしい内容になりますが乗算済みのアルファチャンネルを扱うときに効果が発揮されます。

通常アルファチャンネル付きの素材は「乗算済み」のものが多いのですが、このモードにするとRGBチャンネルの処理を先に行ってからアルファチャンネルの処理を行います。

このモードにすることによって【透明な部分との境界付近】の色がきれいになることがあります。

ライトなどの処理がきれいになることが多いです。

まとめ:色の知識があれば知っておいて損はないモード。

処理方法が少々複雑ですが、慣れていれば便利そうなモードなので覚えておけば表現の幅が広がりそうですね。
A子さん
E太郎
前編のモードよりも上級者向けな内容なので、今すぐに使うことはないかもしれませんが知識として知っておけば「食わず嫌い」にはならなそうですね。

次の記事では、After Effectsのレイヤーに様々な効果を与えてくれる「レイヤースタイル」について具体的に解説していきます。

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